Assay validation

或る測定法を確立する際,その測定法で目的の物質が正しく測定できるか否かを検討しなければならない.そのためにさまざまな試験を行う.これをValidity testという.
正しい測定とは測定しようとする物質だけを試料中の重さあるいは濃度として高い信頼性で決定できることである.
ICH (International Conference of Harmonization, 日米EU三極医薬品承認審査ハーモナイゼーション国際会議) で検討され実施項目とされている分析能パラメータがあり,厚生省の医薬審第338号で厚生省医薬安全局審査管理課長から各都道府県衛生主管部宛に通達され,「承認申請される新医薬品については、分析法バリデーションに関するテキスト(実施項目)を参考にした分析法バリデーションに関する資料を当該承認申請書に添付すること」とされている.第14, 15改正日本薬局方の参考情報にも記されている.その内容は次のようなものである.

1)分析法 (Analytical procedure)(定義)
2)特異性 (Specificity)
  種々の共存物の存在下で分析対象物を正確に測定できるか
3)真度 (Accuracy,Trueness)
  真の値(認証,合意された)と実測値との一致の程度
4)精度 (Precision)
  均質な検体から多数回採取した複数の試料の測定値間の一致の程度

4.1) 併行精度 (Repeatability)
  短時間の間に同一条件下で測定する場合の精度( = intra-assay precision)
4.2) 室内再現精度 (Intermediate precision)
  同一施設内で試験日,実施者,器具,機器等を変えて測定する場合の精度
4.3) 室間再現精度 (Reproducibility)
  異なった施設間で測定する場合の精度
5)検出限界 (Detection Limit)
  分析対象物の検出可能な最低の量をいう.定量出来る必要は無い
6)定量限界 (Quantitation Limit)
  適切な精度と真度で定量できる分析対象物の最小の量
7)直線性 (Linearlity)
  一定の範囲内で試料中の分析対象物の量と直線関係にある測定値を与える能力
  (イムノアッセイの場合には厳密には成立しない)
8)範囲 (Range, 測定範囲)
  適切な真度,精度,直線性を与える試料等の分析対象物の上限および下限の間隔
9)頑健性 (Robustness)
  少しくらい分析法の条件が変わっても測定値が影響を受けにくい能力