インスリンは膵臓のランゲルハンス島（膵島）のβ細胞から分泌されるホルモンで、分子量は約 5800、等 電点 5.4 付近の蛋白質です。
A6-A11、A7-B7、A20-B-19 で S-S 結合を形成し、酸性或いは Zn の存在しない中性水溶液では 2 量体 を形成しますが、中性で Zn 存在下では Zn2 個を含む 6 量体を形成します。 肝、筋肉、脂肪組織が主要な標的組織ですが、それぞれに次のような作用を示します。
肝 ： グリコーゲン合成促進、蛋白合成促進、脂肪酸合成促進、糖利用の促進、糖新生抑制。
筋肉 ： 糖、アミノ酸、K の細胞膜透過性増大、グリコーゲン合成促進、蛋白合成促進、蛋白分解抑制。
脂肪組織 ： グルコースの細胞膜透過性増大、脂肪酸合成促進。
インスリンは細胞内で１本鎖のプロインスリンの形で合成された後、S-S 結合が形成され、酵素分解による 活性化がおこって C-ペプチドとインスリンが分離します。

 

 

キットの特徴

●　短時間（全反応時間：2時間）で測定可能。
●　ワイドレンジ38.1～20,000pg/mL
●　微量な検体（標準操作法は 5 μL/well）で測定可能。
●　環境に優しい防腐剤を使用。
●　全ての試薬が溶液タイプで即座に使用可能。
●　高い測定精度と再現性。
●　簡便な操作で特別な前処理は不要。
●　有効期限は製造日より12ヶ月。

 

キットの構成

 

構 成 品 状 態 容 量
(A)  Anti-Insulin antibody coated plate
　　抗体固相化 96 ウェルプレート		 洗浄後使用 96 wells（8×12）／1 枚
(B)  Standard human insulin solution (200 ng/mL)
        標準ヒトインスリン溶液（200 ng/mL）		 希釈後使用 50 μ L／1 本
(C)   Buffer solution
        緩衝液		 そのまま使用 60 mL／1 本
(D)  HRP–conjugated anti-insulin antibody
        ペルオキシダーゼ結合抗 インスリン抗体		 希釈後使用 100 μ L／1 本
(E)   Luminescent Reagent 1
        発光試薬1

(E)と(F)を1：1に

等量混合後使用

 6 mL／1 本
(F)   Luminescent Reagent 2
        発光試薬2		 6 mL／1 本
( I ) Wash stock solution (10×)
        濃縮洗浄液（10×）		 希釈後使用 100 mL／1 本
プレートシール   1 枚
取扱説明書   1 部

 

ヒト血清検体インスリン測定結果

レビス インスリン-ヒト（発光系）使用

検体 測定値(ng/mL) mean SD
1 0.553 0.518 0.536 0.025
2 1.07 1.10 1.08 0.019
3 0.0730 0.0729 0.0730 0.000
4 0.961 0.947 0.954 0.010
5 0.0536 0.0574 0.0555 0.003

単位: ng/mL

培地を用いた添加回収・希釈直線性試験

未使用の培地にインスリンを添加し連続的に希釈用緩衝液で6段階希釈し測定した結果、

培地 希釈 測定値(ng/mL) mean SD CV(%) 回収率(%)
D-MEM
(High Glucose)
富士フイルム和光純薬
#048-30275		 ×１ 8.50 8.82 8.66 0.23 2.7 86.6
×２ 5.36 5.32 5.34 0.028 0.52 107
×４ 2.76 2.72 2.74 0.029 1.1 110
×8 1.35 1.34 1.34 0.011 0.84 107
×16 0.674 0.669 0.672 0.004 0.53 107
×32 0.346 0.350 0.348 0.003 0.81 111
D-MEM
(High Glucose)
富士フイルム和光純薬
#044-29765		 ×１ 8.51 9.01 8.76 0.35 4.0 87.6
×２ 4.66 4.81 4.73 0.11 2.3 94.6
×４ 2.47 2.49 2.48 0.015 0.60 99.3
×8 1.25 1.25 1.25 0.005 0.40 100
×16 0.614 0.630 0.622 0.011 1.8 100
×32 0.333 0.344 0.339 0.008 2.3 108
RPMI1640
富士フイルム和光純薬
#189-02025		 ×１ 8.86 9.84 9.35 0.69 7.4 93.5
×２ 5.33 5.33 5.33 0.001 0.027 107
×４ 2.73 2.92 2.82 0.13 4.6 113
×8 1.338 1.429 1.384 0.064 4.7 111
×16 0.669 0.713 0.691 0.031 4.5 111
×32 0.351 0.363 0.357 0.009 2.4 114

ヒトの血清・血漿・培養上清・細胞抽出液

5 μ L/ウェル（標準操作法）

 

38.1～20,000 pg/mL（検量線範囲）

※本キットによって得られた測定値は，下記計算式に従ってNIBSC/WHO International Standard Insulin, Human (code: 83/500) (4th)を基準にしたユニット濃度に換算することができます。

　　1 IU=0.03846 mg, 26.0 IU/mg

　　NIBSC/WHO (code: 83/500)ユニット濃度(µIU/mL)=26×本キット測定値 (ng/mL)

精度試験（アッセイ内変動）

検体 A B C
mean 5.84 0.960 0.205
SD 0.078 0.018 0.004
CV(%) 1.3 1.9 2.0

単位：ng/mL n=5

再現性試験（アッセイ間変動）

測定日/検体 E F G
0日目 5.52 0.472 0.742
1日目 5.72 0.469 0.723
2日目 5.55 0.467 0.785
3日目 5.55 0.440 0.772
mean 5.58 0.462 0.756
SD 0.090 0.015 0.028
CV(%) 1.6 3.2 3.7

単位：ng/mL n=3

添加回収試験

検体:血清

添加量 実測値 回収量 回収率(%)
0 0.409 – –
0.143 0.548 0.139 97.2
0.358 0.746 0.337 94.1
0.896 1.24 0.830 92.6
2.24 2.57 2.16 96.0
5.60 5.64 5.23 93.4
14.0 13.7 13.3 95.0

単位：ng/mL

検体：EDTA血漿

添加量 実測値 回収量 回収率(%)
0 0.484 – –
0.143 0.632 0.148 103
0.358 0.834 0.350 97.8
0.896 1.33 0.843 94.1
2.24 2.62 2.13 95.1
5.60 5.87 5.39 96.3
14.0 13.3 12.8 91.4

単位：ng/mL

希釈直線性試験

2検体を連続的に希釈用緩衝液で6段階希釈し測定した結果、

直線回帰のR2は0.9998, 0.9999でした。

培地を用いた添加回収・希釈直線性試験

未使用の培地にインスリンを添加し連続的に希釈用緩衝液で6段階希釈し測定した結果、

培地 希釈 測定値(ng/mL) mean SD CV(%) 回収率(%)
D-MEM
(High Glucose)
富士フイルム和光純薬
#048-30275		 ×１ 8.50 8.82 8.66 0.23 2.7 86.6
×２ 5.36 5.32 5.34 0.028 0.52 107
×４ 2.76 2.72 2.74 0.029 1.1 110
×8 1.35 1.34 1.34 0.011 0.84 107
×16 0.674 0.669 0.672 0.004 0.53 107
×32 0.346 0.350 0.348 0.003 0.81 111
D-MEM
(High Glucose)
富士フイルム和光純薬
#044-29765		 ×１ 8.51 9.01 8.76 0.35 4.0 87.6
×２ 4.66 4.81 4.73 0.11 2.3 94.6
×４ 2.47 2.49 2.48 0.015 0.60 99.3
×8 1.25 1.25 1.25 0.005 0.40 100
×16 0.614 0.630 0.622 0.011 1.8 100
×32 0.333 0.344 0.339 0.008 2.3 108
RPMI1640
富士フイルム和光純薬
#189-02025		 ×１ 8.86 9.84 9.35 0.69 7.4 93.5
×２ 5.33 5.33 5.33 0.001 0.027 107
×４ 2.73 2.92 2.82 0.13 4.6 113
×8 1.338 1.429 1.384 0.064 4.7 111
×16 0.669 0.713 0.691 0.031 4.5 111
×32 0.351 0.363 0.357 0.009 2.4 114

pdficon　AKH-INSL レビス　インスリン－ヒト（発光系)

取扱説明書 / Package Insert　　SDS Japanese  /  English

 

非臨床研究用測定試薬

糖尿病・肥満研究分野

インスリン

シバヤギコード
和光コード		 品名 検量線範囲 検体量
（希釈検体）		 希望納入価格
（消費税別）
AKRIN-011T
634-01481		 レビス　インスリン－マウス（Tタイプ）
標準的な測定範囲のタイプです．		 0.156～10 ng/mL 10 μL 48,000円
AKRIN-011RU
639-23911		 レビス　インスリン－マウス（RTU）
Ready to useタイプ．6濃度の標準品，標識抗体，アビジン溶液が希釈済みです．作業時間を短縮できます．		 100～12 000 pg/mL 10 μL 57,000円
AKRIN-011H
630-10371		 レビス　インスリン－マウス（Hタイプ）
高濃度検体測定に向いています．検体の希釈の手間が省けます．		 0.5～100 ng/mL 10 μL 50,000円
AKRIN-031
633-03411		 レビス　インスリン－マウス（Uタイプ）
高感度タイプです．絶食時等，低濃度検体の測定にご利用ください．		 39～2500 pg/mL 5 μL 65,000円
AKRIN-011S
636-07281		 レビス　インスリン－マウス（Sタイプ）
共存するプロインスリンとの交差性を抑え，インスリンを特異的に測定できます．		 78～5000 pg/mL 5 μL 65,000円
AKRIN-010T
637-01471		 レビス　インスリン－ラット（Tタイプ）
標準的な測定範囲のタイプです．		 0.156～10 ng/mL 10 μL 48,000円
AKRIN-010RU
636-24141		 レビス　インスリン－ラット（RTU）

Ready to useタイプ．6濃度の標準品，標識抗体，アビジン溶液が希釈済みです．作業時間を短縮できます．

 100～12 000 pg/mL 10 μL 54,000円
AKRIN-010H
633-10621		 レビス　インスリン－ラット（Hタイプ）
高濃度検体測定に向いています．検体の希釈の手間が省けます．		 0.5～100 ng/mL 10 μL 48,000円
AKRIN-130
636-05581		 レビス　インスリン－ラット（U-Eタイプ）
高感度タイプです．絶食時等，低濃度検体の測定にご利用ください．		 39～2500 pg/mL 10 μL 65,000円
AKRIN-010S
637-07191		 レビス　インスリン－ラット（Sタイプ）
共存するプロインスリンとの交差性を抑え，インスリンを特異的に測定できます．		 0.1～10 ng/mL 10 μL 82,000円
AKRIN-012T
633-01451		 レビス　インスリンキット（イヌ用）
標準的な測定範囲のタイプです．		 0.188～12 ng/mL 10 μL 54,000円
AKRIN-014T
634-02221		 レビス　インスリンキット（サル用T）
標準的な測定範囲のタイプです．		 0.156～10 ng/mL 10 μL 54,000円
AKRIN-013T
630-01461		 レビス　インスリンキット（ブタ用）
標準的な測定範囲のタイプです．		 0.188～12 ng/mL 10 μL 54,000円
ASIN-003
637-07113		 ウサギインスリン標準溶液
別売りのレビス　インスリン-ラット（Tタイプ）が必要です．		     26,000円
ASIN-018
635-13523		 ウシインスリン標準溶液
別売りのレビス　インスリン-ラット（Tタイプ）が必要です．		     26,000円
ASIN-001
630-07103		 ハムスターインスリン標準溶液
別売りのレビス　インスリン-ラット（Tタイプ）が必要です．		     26,000円

 

■製品に関するお問い合わせはwksb-info@fujifilm.comまで