レプチンは主に白色脂肪組織で作られますが、褐色脂肪組織、胎盤、卵巣、骨格筋、胃底部、乳腺上皮細胞、骨髄、下垂体、肝臓にも発現している分子量16 000のタンパク質で、ラットとマウスでは97 %のホモロジーがあります。レプチンは突然変異種の肥満マウスで見出されたもので、食欲と代謝の調節を通してエネルギーバランスに関与する重要なホルモンです。血中のレプチン濃度は絶食や低カロリー食で減少しますが、摂食直後の増加は顕著ではなく、肥満即ち脂肪組織量の増大で増加し、体脂肪量を反映します。レプチンは脳内に入り、視床下部神経核のニューロペプチドY(NPY)やアグーチ関連ペプチド(AgRP)発現神経の受容体に抑制的に作用し、またα-MSH発現神経を活性化して食欲の低下と摂食の抑制を起こすとされています。しかし、高度の肥満者は血中レプチンが非常に高いにもかかわらずレプチンに対して抵抗性があり、レプチンの摂食抑制作用が発揮できません。全身性脂肪萎縮性に見られるようなレプチン産生の低下と欠乏はインスリン抵抗性、糖尿病、脂肪肝、高中性脂肪血漿を惹き起こします。この他、レプチンは粥状動脈硬化に対しての免疫反応、エネルギーバランスと性サイクルの関連、肺胞のサーファクタント産生等にも関与していると考えられています。

 

非臨床研究用測定試薬

糖尿病・肥満研究分野

レプチン

旧コード
和光コード
品名 検量線範囲 検体量 希望納入価格
(消費税別)
AKRLP-011
637-10381
レビス レプチン-マウス 20.6~5000 pg/mL 10 μL~ 100,000円