成長ホルモン(Growth hormone、別名 Somatotrop(h)ic hormone、 STH、 Somatotrop(h)in)は主として下垂体前葉の好酸性ソマトトロフ(GH産生細胞)で産生分泌される単純タンパク質ホルモンです。脳やリンパ細胞などでも発現しています。ヒトの場合、胎盤でGHに極めて類似性の高いGH2が発現します。
GHは肝、筋肉、腎、軟骨細胞、繊維芽細胞、胸腺上皮細胞に働き、IGF-1を介して、軟骨細胞の増殖、コンドロイチン硫酸の合成、肝その他の臓器での細胞肥大増殖、蛋白同化などにより成長促進作用、胸腺細胞からチミュリン分泌促進などを起こします。
GHは一時的にはインスリン様作用を示しますが、その後、脂肪細胞での脂肪分解による遊離脂肪酸の増加、血糖上昇、インスリン拮抗作用として糖分解抑制、筋肉中のグリコゲン含量増大、末梢組織でのインスリン感受性低下を起こすという代謝面では二相性の作用を持っています。
プロラクチンに類似するNa、K、Mg、Ca、Pの貯留、小腸でのCa吸収促進、乳腺発育、乳汁分泌作用、などの作用もあります。
GHの合成分泌は、GHRH、グレリン、甲状腺ホルモン、コルチゾル、レチノイン酸によって促進されます。またグルカゴン、バゾプレッシン、2-デオキシ-D-グルコース負荷、アルギニン等のアミノ酸負荷、タンパク質摂取、TF5、β‐エンドルフィン、L‐ドーパ、エピネフリンα受容体刺激などにより分泌が増大します。
GH分泌を促進する生理状態としては、低血糖、ストレス(発熱、外傷、出血、エーテル麻酔、精神不安)、絶食、運動、徐波睡眠などがあります。
GH分泌の抑制はソマトスタチン(SRIF)、アクチビン、エピネフリンβ受容体刺激、グルコース、遊離脂肪酸、副腎皮質ステロイド投与、高濃度のIGF-I、高濃度のGHで起こります。
GH分泌を抑制する生理状態として高血糖、血中脂肪酸増加、逆説睡眠、などがあります。
GHの分泌はepisodicであることが知られています。つまり血中濃度はある間隔をおいて急激に上昇し下降するのです。従って無作為に採血した場合には血中レベルのバラツキはかなり大きいものになります。
キットの特徴
● 短時間(全反応時間:5時間)で測定可能。 |
● 微量な検体(標準操作法は 5 μL)で測定可能。 |
● 環境に優しい防腐剤を使用。 |
● 全ての試薬が溶液タイプで即座に使用可能。 |
● 高い測定精度と再現性。 |
キットの構成
構 成 品 | 状 態 | 容 量 |
(A) 抗体固相化 96 ウエルプレート | 洗浄後使用 | 96 wells(8×12)/1 枚 |
(B) 標準溶液(20 ng/mL) | 希釈後使用 | 100 μL/1 本 |
(C) 緩衝液 | そのまま使用 | 60 mL/1 本 |
(D) ビオチン結合抗GH抗体 | 希釈後使用 | 100 μL/1 本 |
(E) ペルオキシダーゼ・アビジン結合物 | 希釈後使用 | 100 μL/1 本 |
(F) 発色液(TMB) | そのまま使用 | 12 mL/1 本 |
(H) 反応停止液 ※取扱注意 | そのまま使用 | 12 mL/1 本 |
( I ) 濃縮洗浄液(10×) | 希釈後使用 | 100 mL/1 本 |
プレートシール | 4 枚 | |
取扱説明書 | 1 部 |
ラット検体GH測定結果
レビス GH-ラット使用
検体 | mean | SD | N | 備考 |
CD(SD), 6W, オス | 7.06 | 2.17 | 6 |
血清,2重測定,絶食なし 採血時間:14時~15時,麻酔:バルビツール系 |
単位:ng/mL
Insulin投与ラット検体GH測定結果
レビス GH-ラット使用
CD(SD),7週齢,メス,体重:160~190g,6時間絶食,5匹
時間(min) | mean | SE |
0 | 6.11 | 1.17 |
30 | 12.2 | 2.78 |
60 | 11.4 | 2.61 |
90 | 9.53 | 2.18 |
120 | 8.26 | 1.76 |
150 | 7.01 | 1.72 |
180 | 6.46 | 2.03 |
単位 :ng/mL
検体 :血清
Insulin投与:Human Insulin Ultra Pure(Cell Science Inc), 100 μIU/100 g 体重,静注
麻酔 :無し
ラットの血清・血漿
5 μL/well(標準操作法)
※検体量は5~25 μLの範囲で調製可能。ただし、ウェルの総量は緩衝液で調製し50 μLとしてください。
※抗凝固剤はEDTA,1 mg/mL(最終濃度)をお薦めします。
交差性
2000 pg/mL時のデータ +:交差性あり ―:交差性なし
動物種 | 対象物質 | 反応性及び反応率(%) |
Rat | r-GH | 100 |
Prolactin | 0.02 | |
Placental lactogen | 0.02 | |
TSH | ― | |
LH | ― | |
FSH | ― | |
Mouse | GH | + |
TSH | ― |
31.3~2000 pg/mL(検量線範囲)
62.6~4000 pg/mL(検体量25 μ Lの時)
0.313~20 ng/mL(標準操作法の時)
精度試験(アッセイ内変動)
検体 | A | B |
1 | 262 | 864 |
2 | 247 | 837 |
3 | 250 | 813 |
4 | 258 | 775 |
5 | 251 | 780 |
6 | 257 | 800 |
7 | 254 | 771 |
8 | 270 | 779 |
mean | 256 | 802 |
SD | 7.19 | 33.5 |
CV(%) | 2.8 | 4.2 |
単位:pg/mL
再現性試験(アッセイ間変動)
測定日/検体 | E | F | G |
0日目 | 1626 | 412 | 96.0 |
1日目 | 1576 | 407 | 97.9 |
2日目 | 1615 | 409 | 96.1 |
3日目 | 1561 | 401 | 103 |
mean | 1595 | 407 | 98.3 |
SD | 31.0 | 4.50 | 3.35 |
CV(%) | 1.9 | 1.1 | 3.4 |
単位:pg/mL, n=4
添加回収試験
検体C
添加量 | 実測値 | 回収量 | 回収率(%) |
0.00 | 101 | – | – |
155 | 265 | 164 | 106 |
192 | 285 | 184 | 95.8 |
223 | 325 | 224 | 100 |
単位:pg/mL, n=2
検体D
添加量 | 実測値 | 回収量 | 回収率(%) |
0.00 | 506 | – | – |
303 | 822 | 316 | 104 |
466 | 949 | 443 | 95.1 |
539 | 1058 | 552 | 102 |
単位:pg/mL, n=2
希釈直線性試験
2血清検体を連続的に希釈用緩衝液で3段階希釈し測定した結果、直線回帰のR2は0.999でした。
下垂体内分泌
旧コード 和光コード |
品名 | 検量線範囲 | 検体量 | 希望納入価格 (消費税別) |
AKRGH-010 635-13741 |
レビス GH-ラット | 0.0313~2 ng/mL | 5~25 μL | 78,000円 |
AKRLH-010S 636-23921 |
レビス LH-ラット(Sタイプ) | 0.313~10 ng/mL | 10~20 μL | 60,000円 |
AKRTS-010S2 |
レビス TSH-ラット(SⅡタイプ) | 0.184~18.0 ng/mL | ~20 μL | 60,000円 |