りん脂質は糖タンパク質、コレステロールやタンパク質と共に生体膜の主要な構成成分となる脂質です。本品はN-エチル-N-(2-ヒドロキシ-3-スルホプロピル)-3,5-ジメトキシアニリンナトリウム(DAOS)を利用した青色発色系の酵素法試薬です。マイクロプレート法により、マウス血清中のりん脂質量の測定に用いることができます。用手法での測定も可能であり、また、ヒト血清中のりん脂質の測定を行うこともできますが、体外診断用に用いることはできません。
※マイクロプレート法の場合、測定回数は500回、用手法の場合、測定回数は50回 検体中のりん脂質(レシチン、リゾレシチン、スフィンゴミエリン)は、ホスホリパーゼD の作用により加水分解され、コリンを遊離します。生成したコリンは、コリンオキシダーゼの作用を受けてベタインに酸化され、同時に過酸化水素を生じます。生成した過酸化水素は、ペルオキシダーゼ(POD)の作用によりDAOS と4-アミノアンチピリンとを定量的に酸化縮合させ、青色の色素を生成させます。この青色色素の吸光度を測定することにより、検体中のりん脂質濃度を求めます。 全血/血清/血漿検体 ・ 採取後の検体は速やかに測定してください。 ・ アルコルビン酸、ビリルビン、溶血は測定値にほとんど影響を与えません。 ・ 本法はりん脂質のうちレシチン、スフィンゴミエリン、リゾレシチンを測定しますがケファリンは測定しません。 ・ 採血後すぐに測定するか、長期に保存する場合は-35 ℃以下で凍結保存してください。 測定範囲:75.0~596.1 mg/dL ●感度 ・ 精製水を試料として測定した場合の吸光度は、0.14 以下です。 ・ 特定濃度の基準液(りん脂質 300 mg/dL)を試料として測定した場合の吸光度は、0.12 ~ 0.58 です。 ●特異性 ・ 既知濃度の管理用血清を測定するとき、既知濃度の± 15 %以内にあります。 単位:mg/dL ヒト血清検体 マウス血清検体 ラット血清検体 単位:mg/dL ヒト血清検体 ヒト血漿(EDTA)検体 マウス血漿(EDTA)検体 ラット血漿(EDTA)検体 測定範囲に入るよう付属の緩衝液で調製後、連続的に緩衝液で4段階希釈し測定した結果。 ヒト検体 マウス検体:CD-1(ICR)、血漿(ETDA) ラット検体:SD、血漿(ETDA) イヌ検体:ビーグル、血清 ネコ検体:Short hair、血清 マイクロプレート法 用手法 よく混合し、37 ℃で5分間加温。ブランクを対照として検体及び標準液の吸光度を測定する。 比色計:600 nm のフィルター 分光光度計:主波長600 nm /副波長700 nm 注:用手法で測定した場合、50 回用となります ご使用者様からの情報をお待ちしておりますキットの構成
構 成 品
容 量
(1) 緩衝液 50 mmol/L グッド緩衝液、pH7.5
50 mL/3 本
(2) 発色剤
50 mL用/3 本
溶解時
ホスホリパーゼD
0.47 units/mL
コリンオキシダーゼ
2.0 units/mL
ペルオキシダーゼ
4.2 units/mL
N-エチル-N-(2-ヒドロキシ-3-スルホプロピル)-3,5-ジメトキシアニリンナトリウム(DAOS)
0.77 mmol/L
4-アミノアンチピリン
0.24 mmol/L
アスコルビン酸オキシダーゼ
3.9 units/mL
(3) 標準液 塩化コリン(りん脂質 300 mg/dL相当)
5 mL/1 本
測定原理
精度試験(アッセイ内変動)
ヒト血清検体
1
2
1
525.6
207.1
2
524.4
213.3
3
517.6
221.7
4
510.5
215.3
5
515.8
212.0
6
515.9
215.6
mean
518.3
214.2
SD
5.7
4.8
CV(%)
1.1
2.2
マウス血清検体
1
2
1
591.8
279.0
2
582.4
285.1
3
573.8
286.4
4
583.5
287.9
5
592.2
266.0
6
592.3
270.2
mean
586.0
279.1
SD
7.5
9.1
CV(%)
1.3
3.3
ラット血清検体
1
2
1
459.8
144.3
2
458.6
147.4
3
456.7
143.3
4
453.0
145.8
5
444.4
144.6
6
448.1
147.2
mean
453.4
145.4
SD
6.1
1.7
CV(%)
1.4
1.1
再現性試験(アッセイ間変動)
測定日/検体
3
4
5
0日目
525.7
367.4
219.0
1日目
493.1
356.7
201.9
2日目
511.7
363.8
205.9
3日目
500.8
360.1
223.9
mean
507.8
362.0
212.7
CV(%)
2.4
1.1
4.3
測定日/検体
3
4
5
0日目
589.3
432.8
285.0
1日目
564.5
409.9
256.6
2日目
565.0
410.3
253.1
3日目
569.4
416.1
284.5
mean
572.1
417.3
269.8
CV(%)
1.8
2.2
5.6
測定日/検体
3
4
5
0日目
461.8
297.6
143.8
1日目
431.8
283.1
139.4
2日目
449.2
296.9
141.8
3日目
435.9
296.7
142.3
mean
444.7
293.6
141.8
CV(%)
2.6
2.1
1.1
添加回収試験
添加量
測定値
回収量
回収率(%)
―
216.6
―
-
152.4
361.6
145.0
95.2
204.2
412.4
195.8
95.9
262.3
462.8
246.2
93.9
314.2
521.9
305.3
97.1
添加量
測定値
回収量
回収率(%)
―
216.5
―
-
152.4
359.7
143.2
94.0
204.2
403.5
187.0
91.6
262.3
466.6
250.1
95.3
314.2
533.5
317.0
100.9
マウス血清検体
添加量
測定値
回収量
回収率(%)
―
285.3
-
-
152.4
438.1
152.8
100.2
204.2
486.6
201.3
98.6
262.3
532.0
246.7
94.0
314.2
601.3
316.0
100.6
添加量
測定値
回収量
回収率(%)
―
111.5
-
-
152.4
256.5
145.0
95.1
204.2
311.2
199.7
97.8
262.3
368.5
257.0
98.0
314.2
432.7
321.1
102.2
ラット血清検体
添加量
測定値
回収量
回収率(%)
―
138.1
-
-
152.4
291.0
152.9
100.3
204.2
345.1
207.0
101.4
262.3
395.4
257.3
98.1
314.2
459.1
321.6
102.3
添加量
測定値
回収量
回収率(%)
―
97.8
-
-
152.4
246.3
148.5
97.4
204.2
298.6
200.8
98.3
262.3
352.3
254.5
97.0
314.2
422.5
324.7
103.3
単位:mg/dL希釈直線性試験
希釈直線性(ヒト血清検体と血漿検体)R2は0.9996と0.9989
希釈直線性(マウス血清検体と血漿検体)R2は0.9999と0.9996
希釈直線性(ラット血清検体と血漿検体)R2は0.9998と0.9996
希釈直線性(培地(50%):D-MEM/10% Fetal Bovine Serum/1xPenicillin-Streptomycin Solution )R2は0.9999検体測定例
検体
測定値(mean)
SD
CV(%)
プール血清
231.9
11.4
4.9
プール血漿(EDTA)
211.8
1.10
0.5
マウス検体:CD-1(ICR)、血清
検体
測定値(mean)
SD
CV(%)
No.1
241.0
1.60
0.7
No.2
213.9
0.44
0.2
No.3
183.1
3.30
1.8
No.4
198.1
4.86
2.5
No.5
171.0
5.97
3.5
検体
測定値(mean)
SD
CV(%)
No.1
111.4
4.45
4.0
No.2
122.9
1.61
1.3
No.3
103.4
5.15
5.0
No.4
115.0
7.41
6.4
No.5
134.8
0.58
0.4
ラット検体:SD、血清
検体
測定値(mean)
SD
CV(%)
No.1
134.6
4.28
3.2
No.2
199.3
2.88
1.4
No.3
168.5
1.62
1.0
No.4
160.0
0.33
0.2
No.5
163.5
3.52
2.2
検体
測定値(mean)
SD
CV(%)
No.1
97.7
1.84
1.9
No.2
122.8
5.82
4.7
No.3
107.9
2.35
2.2
No.4
116.0
7.50
6.5
No.5
121.6
10.9
8.9
検体
測定値(mean)
SD
CV(%)
No.1
373.3
7.644
2.0
No.2
274.1
9.740
3.6
No.3
354.6
20.49
5.8
No.4
287.8
0.263
0.1
No.5
472.3
12.47
2.6
No.6
303.3
3.058
1.0
No.7
275.1
3.341
1.2
No.8
277.8
1.4599
0.5
検体
測定値(mean)
SD
CV(%)
No.1
245.6
0.799
0.3
No.2
191.0
2.689
1.4
No.3
238.2
1.885
0.8
No.4
229.8
0.133
0.1
No.5
227.0
0.376
0.2
No.6
238.0
1.797
0.8
No.7
302.3
2.927
1.0
No.8
158.6
0.981
0.6
単位:mg/dL, n=2
テスト
スタンダード
ブランク
発色試薬
300 μL
300 μL
300 μL
試料
検体 2 μL
標準液 2 μL
―
よく混合し、37℃で5分間加温。ブランクを対照として600 nmにおける検体及び標準液の吸光度を測定する。主波長600 nm/副波長700 nm
テスト
スタンダード
ブランク
発色試薬
3.0 mL
3.0 mL
3.0 mL
試料
検体 20 μL
標準液 20 μL
―
酵素法測定試薬 ラボアッセイTM
ALP(用手法)
シバヤギコード 和光コード |
品名 | 検量線範囲 | 検体量/測定回数 | 希望納入価格 (消費税別) |
LABALP-M1 633-51021 |
ラボアッセイTM ALP p-ニトロフェニルりん酸基質法によるアルカリフォスファターゼ活性測定キット |
0.0625~0.5 mmol/L | 20 μL/ 500回 | 21,000円 |
Cholesterol(用手法)
シバヤギコード 和光コード |
品名 | 検量線範囲 | 検体量/測定回数 | 希望納入価格 (消費税別) |
LABCHO-M1 635-50981 |
ラボアッセイTM Cholesterol コレステロールオキシダーゼ・DAOS法 |
50~592.2 mg/dL | 2 μL/ 500回(マイクロプレート法) 20 μL/50回(用手法) |
21,000円 |
Glucose(用手法)
シバヤギコード 和光コード |
品名 | 検量線範囲 | 検体量/測定回数 | 希望納入価格 (消費税別) |
LABGLUC-M1 638-50971 |
ラボアッセイTM Glucose ムタロターゼ・GOD法 |
50~500 mg/dL | 2 μL/ 500回(マイクロプレート法) 20 μL/50回(用手法) |
23,000円 |
NEFA(用手法)
シバヤギコード 和光コード |
品名 | 検量線範囲 | 検体量/測定回数 | 希望納入価格 (消費税別) |
LABNEFA-M1 633-52001 |
ラボアッセイTM NEFA ACS・ACOD法 |
0.4~1.97 mEq/L | 4 μL/ 500回(マイクロプレート法) 50 μL/40回(用手法) |
40,000円 |
Phospholipid(用手法)
シバヤギコード 和光コード |
品名 | 検量線範囲 | 検体量/測定回数 | 希望納入価格 (消費税別) |
LABPLIP-M1 639-51001 |
ラボアッセイTM Phospholipid コリンオキシダーゼ・DAOS法 |
75.0~596.1 mg/dL | 2 μL/ 500回(マイクロプレート法) 20 μL/50回(用手法) |
26,000円 |
Triglyceride(用手法)
シバヤギコード 和光コード |
品名 | 検量線範囲 | 検体量/測定回数 | 希望納入価格 (消費税別) |
LABTRIG-M1 632-50991 |
ラボアッセイTM Triglyceride GPO・DAOS法 |
100~888 mg/dL | 2 μL/ 350回(マイクロプレート法) 20 μL/35回(用手法) |
23,000円 |
GLDH:Glutamate dehydrogenase (自動分析装置用試薬)
シバヤギコード 和光コード |
品名 | 測定範囲 | 検体量/測定回数 | 希望納入価格 (消費税別) |
LABGLDH-RA 631-47771 |
ラボアッセイ GLDH-ラット(Aタイプ) | 1~200 U/L(*) | 15 μL/ 150回 (日立LAbOSPECT003の場合) |
35,000円 |
LABGLDH-RC 630-48581 |
ラボアッセイ GLDH-ラット用コントロール | 保存温度:-35℃以下 有効期限:6ヶ月 |
容量:500μL/1本 20本セット |
40,000円 |
*検量線範囲は100 U/Lまです。直線性は200 U/Lまで確認しています。