トリグリセライド測定キット

トリグリセライド(TG: Triglyceride)は、グリセロール (グリセリン)の水酸基に3分子の脂肪酸がエステル結合したものであり、中性脂肪、トリグリセリド、トリアシルグリセロール(Triacylglycerol)とも呼ばれ、体に蓄えられたエネルギー源として機能し、肝臓や脂肪組織に蓄積されます。高脂血症は、コレステロールやトリグリセライドなどの血清中の脂質が増加した状態であり、増加した脂質成分で分類されています。高脂血症は虚血性心疾患や脳血管疾患の危険因子の一つであることが知られています。

ラボアッセイ トリグリセライドはGPO・DAOS法を用いて、血液(血清・血漿)や細胞培養上清中のトリグリセライドを測定するキットです。マイクロプレートを用いて短時間かつ簡便に検体中の遊離脂肪酸を測定することができます。

トリグリセライドとは?

トリグリセライド(TG: Triglyceride)は、グリセロール (グリセリン)の水酸基に3分子の脂肪酸がエステル結合したものであり、中性脂肪、トリグリセリド、トリアシルグリセロール(Triacylglycerol)とも呼ばれ、体に蓄えられたエネルギー源として機能し、肝臓や脂肪組織に蓄積されます。下図は、グリセロールに3分子のパルミチン酸が結合したトリパルミチンを示していますが、この脂肪酸の炭化水素鎖長や二重結合の位置、および数の違いによって、その性質は異なります。

図1 トリグリセライドの構造
図1 トリグリセライドの構造

トリグリセライドは血中においてリポタンパク質として存在しています。リポタンパク質は組成により比重が変化し、キロミクロン(カイロミクロン)、超低比重リポタンパク質(VLDL: Very Low Density Lipoprotein)、中間比重リポタンパク質(IDL: Intermediate Density Lipoprotein)、低比重リポタンパク質(LDL: Low Density Lipoprotein)、高比重リポタンパク質(HDL: High Density Lipoprotein)に大別されます(表1)。血中トリグリセライドの由来には、外因性(食餌性)と内因性(体内合成)があり、外因性トリグリセライドはキロミクロンに多く含まれ、内因性トリグリセライドはVLDLに多く含まれます1) 。キロミクロンは食後血漿中に存在し、通常空腹時には血漿中に存在しません2) 。また、VLDLは通常空腹時、血漿中に存在しています2)

表1 リポタンパク質の種類と性質
リポタンパク質 キロミクロン VLDL IDL LDL HDL
直径(Å) 1,000-10,000 700 250 150 75-100
構成成分 (%) タンパク質 2 10 10 25 50
りん脂質 3 18 20 15 23
コレステロール 5 12 30 50 20
トリグリセライド 90 60 40 10 5

トリグリセライドの測定方法

高脂血症は、コレステロールやトリグリセライドなどの血清中の脂質が増加した状態であり、増加した脂質成分で分類されています 3) 。高脂血症は虚血性心疾患や脳血管疾患の危険因子の一つであることが知られています。当社取り扱いのラボアッセイ トリグリセライドは、トリンダー試薬を利用した酵素比色法(GPO・DAOS法)を採用しています。測定キットに含まれる酵素の働きにより、試料中のトリグリセライドをマイクロプレートにより簡便に測定することができます。

GPO・DAOS法の原理

試料中のトリグリセライドは、リポプロテインリパーゼ(LPL)の作用によりグリセロールと脂肪酸に分解されます。グリセロールは、ATPの存在下でグリセロールキナーゼ(GK)により、グリセロール-3-りん酸を生成します。生成したグリセロール-3-りん酸は、グリセロール-3-りん酸オキシダーゼ(GPO)の作用を受けて酸化され、同時に過酸化水素を生じます。生成した過酸化水素は、ペルオキシダーゼ(POD)の作用により4-アミノアンチピリンとDAOSを酸化縮合させ、青色色素を生成させます。この青色色素の吸光度を測定し、試料中のトリグリセライド濃度を求めます。

図:GPO・DAOS法を用いたトリグリセライドの測定原理
図2 GPO・DAOS法を用いたトリグリセライドの測定原理

ラボアッセイ トリグリセライド

ラボアッセイ トリグリセライドはGPO・DAOS法を用いて、血液(血清・血漿)や細胞培養上清中のトリグリセライドを測定するキットです。マイクロプレートを用いて短時間かつ簡便に検体中の遊離脂肪酸を測定することができます。※ ラボアッセイ シリーズは研究用試薬です。診断用に使用することはできません。

キット性能

動物種 ヒト、マウス、ラット、イヌ、ネコ
検体 血清、血漿、培養上清
検量線範囲 100-888 mg/dL
検体量 2 μL
測定時間 約10分
測定波長 600 nm (副波長 700 nm)
イメージ:トリグリセライド測定キット

参考文献

  1. 1) 奥村伸生, 戸塚実, 本田孝行, 矢冨裕 編: 「臨床検査法提要 第35版」, (金原出版) (2010).
  2. 2) 福井巖: 臨床化学, 10(1), 17(1981).
    HDL-コレステロール測定法と意義
  3. 3) 水谷尚: ペット栄養学会誌, 13(1), 12(2010).
    脂質代謝と高脂血症

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