原因と対策
当社内での経験に基づいて原因を列挙しますと
1) 標準品や検体の入れ忘れ
2) 発色に関連する試薬液の入れ忘れ
①ビオチン抗体
②ペルオキシダーゼ結合抗体
③アビジンHRP
④TMB
3) 発色に関連する溶液の取り違えや希釈調製不良
ビオチン抗体とアビジンHRP
4) 酵素阻害剤の混入
希釈に使用した容器にアジ化ナトリウム(NaN3)が付着していためにアビジンHRP溶液に混入し,HRPが失活.特にアジ化ナトリウムは防腐剤として様々な溶液(特にbuffer)に加えられております.そのような溶液を取り扱った器具は要注意です.抗凝固剤としてNaFを含む採血管が使用されている場合,或いは検体の保存にアジ化ナトリウムが使用されている場合,抗原抗体反応後洗浄操作で洗い流されるはずですが,いくらかでも使用を避けるのが賢明でしょう.
5)キット保管温度の影響(凍結保存した場合)
アビジンHRPの凍結融解によるタンパク変性が起きる可能性があります.
6) プレートの過剰な洗浄
特に自動洗浄機の洗浄パワーの調節が強すぎると固相化されている抗体や、反応物をはがしてしまうことがあります.適当な強さに設定してください.
また、洗浄モードはプレートモードでの洗浄をお薦めします.自動洗浄機の流量目安としてはノズルの径によって異なりますが5 ~ 25 mL/minです.
マニュアルでの洗浄の場合はピペットや洗浄瓶の先端がウエル表面に接触しないように洗浄液を分注してください.
また、吸引時はアスピレーターのご使用は避けてください.
7) TMB溶液を冷蔵庫から出してすぐに加えていませんか?
充分室温に戻してから加えないと発色が弱くなります.